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海外成功事例から学ぶ「動員」と「チェンジ」の起こし方!<前編>

2013年3月2日、Change.orgは、動物愛護に関心のある方を対象として、どのように「チェンジ」を起こすかを学ぶ勉強会を開催しました。

今回は、そのなかから、人と物事を動かすための5つの要素についてご紹介します。(プレゼンテーション:Change.org日本代表 ハリス鈴木絵美)

今日は、動物愛護に関心のある皆さんに向けて、動物愛護に関する海外の成功事例を例にしながら、キャンペーンに必要な5つの要素をお伝えしたいと思います。

今から紹介する5つの要素をすべてそろえると、キャンペーンが成功する確率はかなり高くなると私たちは考えています。

Change.orgのサイトの作り自体もそうですが、そもそも署名というのは、非常にシンプルです。そのため、戦略が本当に大切になってきます。 その戦略作りの方向性を知ってもらいたいと思って、今日は5つの要素にまとめました。

その5つの要素とは、(1)クライサチュニティー(Crisitunity)、(2)働きかける相手、(3)目標、(4)セオリー・オブ・チェンジ(Theory of Change)、(5)パーソナル・ストーリー(Personal Story)です。

要素1:クライサチュニティー まず、クライサチュニティー

これは、クライシス(Crisis)とオポチュニティー(Opportunity)を合体させた言葉です。クライシスとは、直訳すると「危機」ですね。人を動かして、賛同を集めるには、やはり何らかの危機や緊急性が必要です。切迫した問題がないと、誰も興味を抱きません。

し かし、危機ばかり聞かせても、人は動いてくれません。なぜかと言うと、ネガティブなことばかり聞くと人間はつかれてしまうからです。

ですから、キャンペー ンには必然的に、オポチュニティー、つまり、行動を起こす機会が必要なんですね。何らかのきっかけ、変化の機会が必要とされます。

この二つの言葉を一緒にして、クライサチュニティーという、新しい言葉ができました。 クライサチュニティーを活用した成功事例 クライサチュニティーをより深く理解するために、インドにおける動物愛護キャンペーンの成功事例をご紹介します。

背景事情を説明します。 ハイデラバード市は、5つの動物保護施設を経営していました。しかし、経営上、動物に対する虐待とネグレクトが大きな問題と指摘されていました。

そもそもインドの法律上、この様な動物保護施設には、数日しか保護されないはずだったのですが、調査した結果、長期間にわたることがわかりました。 ほかにも、病気に感染した犬と健康なイヌが同じゲージに入れられていたり、飲み水を全く入れ替えていなかったり、手術を終えたサルなどが森に放されないまま死んでしまったり。多くの問題がありました。

この問題に対しては、地元の動物愛護団体も取り組んでいましたが、なかなかハイデラバード市が動いてくれませんでした。

そこで、クリシャナさんはChange.orgでキャンペーンをはじめ、4ヶ月に渡り、国内外から署名を1万2千筆集め、メディアの注目も引くことができました。署名が多く集まったことがきっかけで、インドの新聞社がこの課題を取り上げてくれたのです。

こうした活動の高まりと、メディアからのプレッシャーもあり、市は、問題の施設の5つを完全にやめることにし、うち2つは、動物愛護団体が引き取ることになりました。

加えて、動物保護施設で働くスタッフやボランティアの研修も行うことになりました。 さらに、毎月、関わっている動物愛護団体と共に、市が、結果報告と検討の場を設けることになりました。 複数の要望がすべて受け入れられたのです。

明確な危機をバネに、良い変化をもたらす機会にできたといえるでしょう。大きな問題に大しても、何か具体的なアクションをとれると提示することが大切です。

要素2:働きかける相手

次は、働きかける相手です。 これも戦略的によく考えなければなりません。Change.org日本で発信されているキャンペーンをみると、あまりにも総理大臣宛のものが多すぎるという気がしています。

すべての問題について、総理大臣が動いてくれるはずはありません。おそらく100万筆集まっても、無視されてしまうことだってあるでしょう。すごい数の賛同を集めても、なかなか国レベルの政治を動かすのは難しいものです。

個人としてキャンペーンを発信する場合、国レベルを動かすのは難しいので、消費者の声を聞き入れてくれる企業や、地方自治体などにするほうが、成功しやすいと言えます。

特に、企業はPRや広報に力を入れていることがほとんどです。自社のブランドや評判を気にしていますから、消費者の声を聞く体制ができています。 国内最大手化粧品メーカーの資生堂さんが動物実験を原則廃止にするというニュースもありましたが、この成功も、やはり消費者の声を聞く体制が整っていたこそだと思います。具体的に、担当者の名前を探ることも重要です。ピンポイントで、この人なら変えられるという担当者を調べて、その人に働きかければ、とても効果的です。

そしてより大切なのは、相手も人だということです。 過激な言葉を使ってしまうと、担当者がキャンペーンの文章を読んだときに「この人は話を聞いてくれないな」と思ってしまい、コミュニケーションがとりずらくなってしまいます。 お話しをしてもらえるよう、中長期的な関係を築けるよう、相手が読んでくれそうな文章を書くことが重要です。

例えば、家族に禁煙を勧めるときのような雰囲気で取り組むことをお勧めします。

働きかける相手を戦略的に考えた成功事例

相手を考える事例として、アメリカの有名なコーヒー・チェーンを選んだキャンペーンを紹介します。 このキャンペーンでは、あえてブランドイメージを気にしている企業を選んで、妊娠期間檻(にんしんきかんおり)を利用して生産された豚肉の利用をやめるよう求めました。

妊娠期間檻を使っている養豚業者を宛先にすることもできたのだと思いますが、あえて消費者に敏感なブランドを選んでいます。サプライ・チェーンから変えて行こうということで、働きかける相手を選んだのです。

このキャンペーンは、2万筆ちょっとで、大手コーヒー・チェーンを動かすことに成功しました。2万人って、多いですけれど、驚くほど多いというわけではありません。 民間企業はブランドイメージをとても気にするので、消費者向けのブランドや市民の声を気にしている政治家を選ぶのが成功の鍵です。

この記事は、<後編>に続きます!

スライド:http://www.slideshare.net/emmy_change/2013-03-02changeorg

Written by
Change.org
5月 10, 2013 7:19 am