今年の6月、日本の刑法の性犯罪規定に、制定後110年の中で類のない大幅な改正がなされました。 この実現を後押ししたキャンペーンが、Change.orgも活用していたビリーブキャンペーンだったことから、Change.orgは7月にキャンペーンの成果報告会を行いました。 このイベントで企画とモデレーターに関わってくださったジャーナリストの治部れんげさんに、イベントの内容をレポートしていただきました。 イベントに来られなかった方も、いらした方で内容をもう一度思いだしたい方も、ぜひご覧ください。 今年6月、刑法の性犯罪規定が改正された。日本の刑法性犯罪規定は110年前に作られたもので、これまで大きな改正はなかった。今回の改正は、欧米先進国と比較すれば不十分ではあるものの、ようやく一歩を踏み出した。 【刑法の性犯罪規定改正のポイント】 「強姦罪」とされていた罪の名称が「強制性交等罪」に変わった 強制性交等罪の刑期の下限が懲役3年から5年に引き上げられたこと 強制性交等罪の被害者には、女性以外も含まれるようになったこと 被害者が告訴しなくても、検察が加害者を起訴できるようになったこと この改正を後押しした人がいる。彼・彼女らは刑法の性犯罪規定を改正するため、「ビリーブ」と名づけたキャンペーンを展開。ソーシャル署名Change.orgの活用に始まり、国会議員へのロビイング、世論を盛り上げるためのイベントを行った。 実際に「法律の改正」という大きな成果を得た「ビリーブ」キャンペーンは社会運動の成功事例と言える。 キャンペーンをサポートしたChange.org広報の武村若葉さんは「法改正という大きな成果もすばらしいですが、問題の認知を広げるためにオンライン署名やアートパフォーマンス、ワークショップなど様々な手法をつかって、関心のなかった人を振り向かせる工夫がたくさんされています。Change.orgで立ち上がるたくさんのキャンペーンをみてきていますが、これほど『語りかける』こと、『巻き込む』ことに注力したキャンペーンは珍しい。社会に働きかけたいと思う人にはぜひ参考にしてほしい事例です」とこのキャンペーンを評価する。 そこでChage.orgでは、7月16日にキャンペーンの成果報告会を開催、キャンペーンの中心メンバー5名が登壇し、戦略の立て方やチームビルディングについて話した。筆者はこの報告会に企画から関わり、当日はモデレーターを務めた。この記事では、報告会のエッセンスをお伝えする。 刑法性犯罪規定の改正を求める「ビリーブ」キャンペーンには、4つの団体が参加していた。明日少女隊、NPO法人しあわせなみだ、性暴力と刑法を考える当事者の会、ちゃぶ台返し女子アクションである。4団体は以前から性犯罪や性虐待の問題に取り組んでおり、イベントなどで顔を合わせ話すうちに「志は同じ」と気づいていく。刑法の改正に向けて一緒に取り組むため、2016年9月半ばに4つの団体のコアメンバーが集まってミーティングをした。 「このミーティングが、とても重要でした」と、ちゃぶ台返し女子アクションの鎌田華乃子さんは振り返る。この場で皆がひとつのゴールに向かうと決意したためだ。参加メンバーの中には、性被害の当事者もいれば、被害者支援に携わる人、世論の形成に関心がある人もいた。 それぞれがこのテーマに取り組むモチベーションについて話した後に、皆が合意できる最低ラインを決めた。それは、少なくとも2017年の通常国会で刑法改正を実現させること。また、可能であれば、改正案をより理想に近い内容に修正するよう働きかけること、とした。 目標を決めた後は、戦略的なアクションを積み重ねていった。法律を改正するためには国会議員の理解が必要だ。プロジェクトのメンバーは、合計45人の国会議員に直接面会して性犯罪被害の実態を伝え、刑法改正の必要を訴えた。与党にも野党にも足を運び、党派を問わず味方になってくれそうな人には会いに行った。ロビイングの過程でChange.orgで集めた署名約3万筆(提出時)を金田勝年法務大臣(当時)に手渡すことができた。 議員との面会は、性暴力と刑法を考える当事者の会の山本潤さんが中心になり、「だれに働きかければ改正を実現しやすいのか」をチームで話し合いながら動いた。被害当事者で関連の著作もある山本さんが自身の体験を話したり、複数の当事者の話を伝えながら法律改正の必要性を冷静に伝えた。山本さん達の話は議員の心を動かし、紹介が紹介を呼ぶ形で多くの議員と話をすることができた。 山本さんと共に議員を訪問した、しあわせなみだ代表の中野宏美さんは「『自分たちはロビイングの素人なので、分からないことは議員に教えてもらう』といった謙虚な態度で臨むよう心掛けた」。実際、刑法改正後、何人かの議員にお礼に行った際、中野さんはある議員から「きみたちは明るかったから良かった」と言われたそうだ。 深刻な社会問題に取り組み、改善・解決のために活動しながら「明るさ」や「謙虚さ」を保つのは簡単なことではない。特に、議員など意思決定権者と面会する際、社会問題の解決を急ぐあまり相手を責めてしまったり、会う前から対立的な姿勢を取ってしまったりすることもある。目標は決して見失わず、コミュニケーションは冷静かつ丁寧に。これは今後、違うテーマでキャンペーンを始めたい人にとっても参考になるだろう。 ところで「ビリーブ」キャンペーンが成功した要因として、政治家だけでなく普通の人を広く巻き込んだことがある。特に有効だったのは、戦略立案の最初に「アート」を取り入れたこと。フェミニストアーティストのグループ「明日少女隊」は、ロゴマーク、ウェブサイトのデザインに始まり、パレードのプラカードを製作するなど若年層に響く表現を工夫した。また、ダンサーくはのゆきこ氏の協力を得て、ロビイングにダンスまで取り入れた。視覚に訴えることで、ふだん社会運動に参加しない層にも、この問題が重要だと伝えることができた。 学生など、若い世代に伝える工夫は他にもあった。ちゃぶ台返し女子アクションの大澤祥子さんが中心になり「性行為における同意」をテーマにしたワークショップを東大、創価大などのキャンパスで開いてきた。ワークショップの企画運営には男子大学生も加わったため、性別を超え良心ある若い層に開かれたキャンペーンになった。このワークショップに参加した学生がさらにロビイングにも加わっている。 個々の施策の新しさや戦略性に加え、重要なことがもうひとつある。それは「できることしかやらない」と決めて貫いたことだ。社会運動のキャンペーンでは、政局や突発的な事故などコントロールできないことが沢山起きる。「ビリーブ」キャンペーンでは、刑法改正に焦点を定め「自分たちでコントロールできることで最大限の効果を出す」ことに集中した。選択と集中という、ビジネスの発想を社会運動に応用したのである。 「ビリーブ」キャンペーンに参加したメンバーたちの今後の課題は、6月の刑法改正に盛り込まれた「3年後の見直し」をいかに実現していくか、である。改正は大きな一歩であった。同時に、改正後の刑法もまだ、暴行や脅迫がないと性犯罪とは見なされない、という点などでまだ改善の余地がある。この課題をいかに市民社会に伝え、世論を動かしていくか。すでに次のアクションは始まっている。 【団体プロフィール】 明日少女隊 男性、女性、いろんな性、みんなが平等でHappyな社会を目指す社会派フェミニスト・アートグループ。デザインやアート通してビリーブキャンペーンを盛り上げた。ロゴ、ウェブ、プラカード、横断幕のデザインや、ブックレットの配色を担当し、アートとして、翼のマスク、ビリーブ・マーチ、女子力カフェを生みだす。ロゴの「つばさのシンボル」には、孤立しやすい性暴力被害当事者をエンパワメントするため「傷ついたつばさと、支えたいつばさ。2つがそろって初めて羽ばたく」という意味を込めた。記号からダンスでは、振付師くはのゆきこを支え、参加者を笑顔にするコミュニティ・アートを実現。 NPO法人しあわせなみだ 「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目指して、2009年1月に立ち上げ、2011年7月にNPO法人化。性暴力を経験した方や、その家族を対象とした自助グループ、性暴力等を経験して施設で暮らす方を対象とした講座、市民に対する啓発イベント等を手掛けてきた。刑法性犯罪改正にあたっては、2014年10月から法務省に設置された「性犯罪の罰則に関する検討会」ヒアリングに呼ばれ、現場の声を届ける。 ビリーブキャンペーンでは、これまでの活動を踏まえ、ロビイングに向けた資料作成や連絡調整、メディアとの関係構築、イベントのとりまとめ等、「縁の下の力持ち」役を果たす。 刑法と性暴力を考える当事者の会 性暴力被害者、ならびに性暴力被害を自分の事として考えるメンバーにより性犯罪の実態に即した刑法改正を目指して2015年8月に立ち上げられた。 刑法が性暴力の実態に見合った法律になるよう勉強会の開催や意見の発信を行う。2015年に法制審議会へ2回要望書を提出し、2016年5月に法制審議会のヒアリングに参加。2016年に実際の裁判例をもとに刑法性犯罪の不備を指摘した「ここがヘンだよ日本の刑法性犯罪」ブックレットを作成し、理解が深まったと好評を博す。また、日本弁護士連合会意見書への反対の要望書を行ったほか、2017年6月に参議院法務委員会で参考人として発言するなど被害当事者の視点から性暴力の実態を伝えた。 ちゃぶ台返し女子アクション 「性別に関わらず自分らしく生きられる社会」を目指したプロジェクト。女性の視点からみた生きづらさを女性自らが声を上げて変えていくことで、あらゆる性の人たちが生きやすくなると考えている。本キャンペーンでは性暴力を親しみやすく知ってもらう漫画、動画の作成や、大学生や社会人に性行為における同意を考えるワークショップを実施。市民が行動し、力を作って変化を起こす「コミュニティ・オーガナイジング」をキャンペーンで実践した。
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110年ぶりの刑法大幅改正。それを後押しした「チームワーク」とは?|ジャーナリスト 治部れんげ
Written by Change.org · October 24, 2017 12:30 pm -
この夏の成功事例:豚にまたがり苦しませる「豚のロディオ」をやめよう!
豚の「ロディオ」。嫌がり泣き叫ぶ豚の背中に人がのり、どれだけの時間耐えられるかを競うもので、養豚が盛んな愛媛県西予市の祭で25年以上続けられてきた出し物でした。 『首を赤く腫らし苦しそうに息をしていた』 『ヨロヨロとして歩けなくなる豚がいた』 豚たちの苦しみをなんとかしたいと思う人たちから報告が寄せられ、NPO法人アニマルライツセンターは2012年から、主催者へ豚のロディオの廃止を求めてきました。 2015年にはChange.orgでキャンペーンを立ち上げ、14,278人の賛同が集まりました。 祭の主催者にこの署名も届けながら粘り強く働きかけた結果、2017年から祭で豚のロディオの出し物が廃止されました! アニマルライツセンターの佐藤さんは、キャンペーンの効果について、こう話します: 「愛媛県西予市で25年以上続けられてきた豚のロディオにようやく終止符を打つことができました。 このロディオは嫌がり泣き叫ぶ豚の背中に人がのり、どれだけの時間耐えられるかを競うもので、『首を赤く腫らし苦しそうに息をしていた』『ヨロヨロとよろけ歩けなくなる豚がいた』などという声がアニマルライツセンターに寄せられていました。 2015年、2016年にChangeの署名を主催者に届け、他の動物保護団体の協力も得て動物虐待であるこのイベントの廃止を求めて運動を続けてきた結果、今年から廃止されることが決定しました。 多くの皆さまからの賛同が、豚たちの苦しみに終止符を打つことにつながりました。ご賛同いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。」 Change.orgでは、都議会セクハラヤジのキャンペーンのように、大きく報道された社会問題に対するリアクションとして始められるキャンペーンの印象が強いかもしれません。 こういった、ニュースで話題となっている事柄に短期的なリアクションをとるキャンペーンは、比較的立ち上げやすい傾向があります。 一方で今回ご紹介したような、2年、3年と長期的に取り組む事柄に署名キャンペーンを組み合わせて取り組む人たちも、実はたくさんいます。 このような、注目する人がそれほど多くないけれども問題がある事柄には、即効性は期待できないので、長い期間をかけた働きかけが必要となります。 アニマルライツセンターの皆さんは、この長く地道な活動を通して、変化を起こすことができたんですね。 おかしいと思うことがあったら、誰もが声をあげて、変えることができる。 こんな社会の実現にまた一つ近く成功事例のご紹介でした!
Written by Change.org · September 19, 2017 1:00 pm -
【動画】2017年前半に社会にムーブメントを起こしたキャンペーンたちをご紹介
2017年も早いものでもう6月。折り返し点を過ぎましたね。 あっという間だったようなこの半年の間にも、「変えたい」という思いをもった人々は様々な場所で声をあげ、Change.orgでもたくさんのキャンペーンが立ち上がりました。 中には、大きなムーブメントにつなげたり、国の決定をあと押しするものも生まれています。 110年変わらなかった刑法の規定を変えたい、いじめに苦しむ生徒に寄り添いたい、大学の休学費を安くしたい… これらのキャンペーンが声を届けられたのは、Change.orgのウェブサイトやスタッフの活動を支えるChange.org会員の支援があったおかげです。 以下のページで、そんなキャンペーンたちをビデオにしてご紹介しています。是非ご覧になってみてください。
Written by Change.org · July 4, 2017 3:15 pm -
【成功事例】奄美大島の地元有志が46,000人以上を巻き込んで、巨大クルーズ船計画を阻止した話
こんにちは、Change.orgのキャンペーンスタッフ兼広報の武村です。 Change.orgでは日々たくさんのキャンペーンが開始されていますが、それらをモニタリングしたり、中でも特に話題となっていたり、数がたくさん集まっていたりするものをサポートしたり、といった仕事をしています。 成功したキャンペーンを紹介し、Change.orgの有効な使い方やキャンペーンの進め方を知ってほしい。そして、より多くの人に、自分で立ち上げたキャンペーンを成功させてほしい、と思って、この記事を書いていきますので宜しくお願いします! Change.orgはあくまでツール。使い方次第、またそのターゲットとする課題の状況や関わる人たちの関係性で結果は無限大です。 奄美大島、龍郷町の浜 いきなりですが、素敵な海ですよね!奄美大島の龍郷町というところにある浜なんだそうです。一度はこんな素敵な自然の中に身を置いてみたいですよね! 今回は、この夏Change.orgでも特に賛同者が集まったキャンペーン、「奄美大島のすばらしい自然を残すため、中国人客5,400人を乗せた22万トン級クルーズ船の寄港地建設計画をやめてもらいたい!」を、見事成功に導いた田中さんにお話をうかがいます。 奄美大島まで行きたいのは山々ですが、お金も時間もないので電話でインタビューしました。(写真は再現なのでスマホが通話画面ではないのは突っ込まないでください) −−こんにちは!初めまして、Change.orgの武村です。今回はキャンペーンのおめでとうございます。 どうもありがとうございます! −−そもそもなぜ今回はキャンペーンをはじめたんですか? 僕は埼玉出身なんですけど、南の島や海が大好きで、20ウン年前、大学に入るために18歳で沖縄に引っ越しました。シーカヤックガイドをしたり、その後作業療法士の資格を取って働き、沖縄で10年以上生活しました。 でもふと気づくと、沖縄の開発が進んでしまって、20年前にきた時の感動がうすれてしまって。奄美大島に引っ越して来たのが1年半前なんです。 −−意外と最近なんですね!てっきり奄美大島で生まれ育った方が始めたのかと思っていました。 そうなんです。 それで奄美大島に移住して約1年経った今年5月にたまたま知人に誘われて、集落でやっていた開発業者主催の住民説明会に行ったんです。この内容を聞いて、沖縄での開発が進んだ現状を知っていたので、ものすごい危機感を感じました。ずっと島に住んでいると、今の居心地の良い環境が開発によって壊されてしまうということをあんまりイメージできないのかもしれないとも思います。 −−他の住民の方の中にも反対したりしてる人はいなかったんですか? 最初は正直よくわからない、というのがみんなの反応でした。 島は失業率が高く、仕事がないという危機感はあったので、もしかしたらいいことなのかも、と感じていた人もいたかもしれないですね。 でも、開発業者の提示した情報はバラ色のものばかりで、6000人規模、という見たこともない大きさの客船が来るのに、こんないいことばかり起きるのかな?という疑問をもっていた人もちらほらいました。 それと、昔から島に住んでいる人たちの中には、開発業者と一緒に計画を進めている土建業者の人たちと仕事のつながりもあったりするので、表立って反対をして関係を壊すのがこわい、という人もいたと思います。 そんな雰囲気なので、賛成も反対もしないという人が大多数になってしまって、議論が盛り上がる様子はありませんでした。 心の中では賛成の人も、反対の人も、普段の関係性が壊れるのが怖かったんだと思います。 −−なるほど〜。 そういう「表立って話せない」という雰囲気もあって、開発の推進派にとっては「隠しながら計画を進めてしまえる」と有利に働いていたと思います。 そこで、僕たちは、「龍郷湾を守る会」を立ち上げて反対の声をとにかくあげて、僕たちの動きを、もっともっといろんな人に知ってもらうという方向で活動しました。これが功を奏したと思っています。 奄美大島に関するブログポータルに僕らが計画についてまとめたページを紹介してもらったり、反対活動のFacebookを立てたり、そしてChange.orgの署名と、とにかくたくさん情報発信していきました。 −−ネットを駆使していたんですね! ネットはとにかく拡散力が強い。一回もあったことのない人にも開発計画が届けられ、たくさんの方が署名してくれました。距離も関係ないと感じましたね。 一方で紙の署名も組み合わせて進めていました。町の誰もが行くスーパーで、週に1回は署名のお願いをしたりして。 −−紙の署名とChange.orgのキャンペーンの両方をされたんですね? そうなんです。紙の署名も4475人集まりました。ネットは若い人や、島の外の人に伝えるのにすごく便利だけど、一方でシニアの方々はやっぱりまだネットを使いこなせる人ばかりではないので、そういう人たちには紙の署名が合っていました。 もう一つ紙の署名の便利なところは、店頭に置いたり、島の外のコミュニティで回してくれる人も多かったこと。今回の開発計画はダイビング好きの人たちにも広まって、反対してくれる人も多かったので、島の外のダイビングショップチェーンのレジ横などにも置いてくれました。町の出身で島の外で生活している人たちの集まりである「郷友会」の人たちも紙を郵送して集めてくれたりしました。 逆に、反対したいけれど、地元の土建業者の関係者だから、名前や住所を記入する必要がある紙の署名は難しい、という人もいました。そういう人はChange.orgのキャンペーンに賛同をしてくれました。 −−なるほど!ネットのキャンペーンと紙の署名、それぞれ便利な部分があるんですね。 それにしても、それだけいろいろな情報発信や活動をするには、一人ではむずかしいですよね?仲間はどうやって集めたんですか? もともと10人いた町議のうち2人が反対していて、そのうちの1人は、僕が住んでいる集落の町議で、人を集めるための場所を提供してくれたりしました。 他にもダイビング業界、集落、観光業界などから少しずつ反対の人を集めて「守る会」を立ち上げました。メンバーそれぞれの専門分野で、計画は無理があるというデータや声明を集めては、「守る会」のページで発表していきました。 町議さんは表立って活動は難しかったけれど、町議会の雰囲気や推進派の動きを教えてくれたりして。推進側は会議の正式な資料はほとんど公開してないので何も教えてもらえなかったんですが、おかげで先手をとって動くことができました。 それと、僕もちょうど自分の事業の立ち上げをしようとしていたタイミングで、時間が比較的自由に使えたのも大きかったと思います。 −−なるほど、やはり、相手の動きをうまく察知することが重要なんですね。 それにしても、これだけ大きな開発計画を見事止めることができたのは、本当にすごいです。キャンペーン成功の鍵はなんだったと思いますか? さっきも少し話しましたけど、推進派は計画を「隠しながら進めちゃえ」、と思っていた節があります。誰も反対や賛成を表立って話し合えない雰囲気の中で、なんとなく進めれば開発ができてしまうと思っていたんじゃないかと。 それに対して、僕たち「守る会」が反対の声をあげて、もっともっといろんな人に知ってもらおうという動きを大きくしたのが功を奏したと思ってます。 町長も最初は、推進派の情報しか見ていなかったみたいなんです。でもぼくら「守る会」が声をあげ始めたことで、町長側が独自に調査を始めたり、守る会側の発表したデータを調べたりしたらしい。 キャンペーンの賛同の数も最終的に4万7000人以上集まって、ここまで反対されると思わなかったと感じさせるくらいのインパクトになりました。 紙の署名も町民6000人のうち800人くらい集まっていて、これは町議会に請願ができる住民の数を余裕で超えていました。 −−それは説得力ありますね! 今だから言えるけど、「うちら負けたらもう、集落にはいられないよね。」って言ってた。だから本当によかったです。 −−そうですよね。反対の人も賛成の人もみんな同じ島の、町の中に住んでいるんですもんね…。 最後に、キャンペーンについて、これは伝えたい!ということがあれば教えて下さい。 今回の騒動で示されたのは、この先の奄美のあるべき姿だと思ってます。 島内外問わず、大規模開発は望んでなくて、いいところを残して伸ばしていくことをみんなが望んでいるんじゃないかなって。 だから島のいいところを再確認しましょう、というのが、これからやらないといけないことだと思います。 守る会に関わった人はそれぞれのフィールドで、島をよくしていくプロジェクトをしてくれるだろうし、開発をせずに便利にする方法をこまめにつくっていくようなNPOを立ち上げよう、と思っている人もいそうです。 […]
Written by Change.org · December 20, 2016 5:25 am -
ITmediaねとらぼのネット署名の力を分析する記事でChange.orgが取り上げられました
ニュースサイトのITmediaねとらぼで、オンライン署名の影響力を考察する記事としてChange.orgを取り上げました。 Change.orgってどんなサイト?ネット署名って意味あるの?そんな疑問を持っている方、ぜひ読んでみてください。 成功事例の分析や、オンラインと紙の署名の役割の違いなど、詳しく説明していますので、これから何かアクションを取ってみたい、と考えている方にも参考にしていただけると思います。 http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1612/08/news143.html
Written by Change.org · December 19, 2016 11:03 am -
Change.org日本版 50万人突破
Change.org日本版は、この夏、ついにユーザー数50万人を突破しました!
Change.org日本版は2012年夏に始まり、この夏でまる2年を迎えます。この節目に、これだけ多くの方にご利用いいただき、改めて感謝と希望の気持ちでいっぱいです。Written by Change.org · August 11, 2014 2:33 am -
【成功事例】ニュージーランド航空の「ビキニガール」の機内安全ビデオが上映打ち切り
成功事例ニュージーランド航空が上映していた機内安全ビデオが、女性を差別的にあつかっているので上映を取りやめてほしいと訴えたキャンペーンが、7,000名以上の賛同者を集めて成功しました。
Written by Change.org · July 7, 2014 10:30 am -
署名で終わりにしない、私たち一人一人にできること。
昨日、都議会ヤジ問題に対する署名キャンペーンの発信者・賛同者有志によって、問題の根本は何か、そして解決に向けて私たち一人一人ができることは何か、考えるワークショップが緊急開催されました。
Written by Change.org · June 27, 2014 5:00 am -
クラブを守れ
今日は日本国内でもクラブに関するニュースがありましたが、ドイツからもクラブを守ろうと言う素敵な成功事例が届きました!
Written by Change.org · April 25, 2014 11:30 am -
2013年のChangeを振り返るビデオが完成!(英語)
2013年も残すところ後少し!
今年1年、どんな年だったか振り返る方も多いのではないでしょうか。Written by Change.org · December 28, 2013 10:31 am