Change.orgからのお知らせ
都議選で都民が本当に取り組んでほしいことは何?アンケート結果から見えてきたこと。
都議選まであと2週間と少し。
先々週、Change.orgでは、選挙を、「市民が声を届ける機会」として取り戻そう!ということで、今度の都議選で都民のみなさんが取り組んでほしいことは何か、アンケートを実施しました。
1週間強という短い間ではありましたが、2509人という多くの方々から回答をいただくことができました。皆様、ご協力ありがとうございました!
今日は、この集計結果からわかったことをまとめてみたいと思います。
結果は、大変興味深いものになりました。
報道では、政策一つ一つの議論はみられず、政党や候補者の動向がほとんどで、政策の論点として、豊洲市場への移転の問題だけが取り上げられています(2017年6月13日現在)。
しかし、今回のアンケートでは、必ずしも豊洲市場だけがメインテーマではない、と感じている都民の声が見えてきました。
まず、下のグラフは、東京都に関係する問題の中で、候補者に取り組んでほしいことを複数回答で選択してもらった回答です。全回答者数2509人のうち、それぞれの選択肢を選んだ割合を%で表しています。
(グラフをクリックすると拡大表示)
これを見ると、子育てや教育問題が53%、待機児童問題は52.5%の人々が選択しており、子育てや保育園に関する問題に一番感心が高いことがわかりました。次に、貧困や格差対策で51.7%、情報開示が45.6%と続きました。
ニュースで頻繁に報道される豊洲問題は、35%前後の人々が選んだグループに属しています。
この35%前後の層には、障害者支援、差別、教育費無償化、最低賃金アップなど、一人一人の生活に密着するトピックへの回答も集まっています。
日々報道されている豊洲問題と比較して、報道されることが相対的に少ない貧困や福祉、差別の問題に、同じくらい都民の意識が集まっていることが大変興味深いですね。
生活を改善したり、身の回りの生きづらさを変えたい、変えてほしいという都民の願いが出ているのではないでしょうか。
また、アンケートでは、都議選の候補者に取り組んでほしいことは何か、自由回答で書いてもらう質問も行いました。
この結果をテキストマイニングという、出てくる単語の数を分析する手法を使ってグラフにしてみたところ、できたグラフがこちら。(今回はユーザーローカルという会社の無料オンラインツールを使って作成しました。)
(グラフをクリックすると分析結果のページへ)
よく出てくる単語ほど、大きく表示されています。(青:名詞、赤:動詞、緑:形容詞、だそうです。)
「待機児童」と「移転」、2つの単語が一番大きく目に飛び込んできます。その次に同じくらいのサイズで「都民」と続いています。
「東京オリンピック」、「保育園」、「築地」、「豊洲」、「福祉」、「貧困」…といった単語が、その次の大きさで並んでいるといったところでしょうか。
また、下のグラフは、出てくる単語同士の関連性の高さを表したグラフ。出てきた数が多い単語ほど大きく、また一緒に出てきくる傾向が強いほど太い線で結ばれているようです。
(グラフをクリックすると分析結果のページへ)
こちらの円グラフは、ぜひ分析ページでも見てみてください。円を直接ドラッグすると動いて、関連性の高い単語が確認できるようになっています。
https://textmining.userlocal.jp/home/result/76a12a272dd77fab5e094f1e902c112b
また、自由回答を一つ一つ読んでいて興味深かったのは、豊洲問題と一言で言っても、移転推進派、築地にとどまる派の両方の意見が集まっていたことです。
上二つのグラフを見ても、移転、豊洲、築地市場、築地、と様々な単語に分散しています。この問題の意見は有権者の中でもまとまっていないということなのかもしれません。
都議選の報道では、豊洲の問題をシングルイシューとして扱ったり、党派間の勢力争いの報道が多くみられます。
しかし、アンケート結果からも分かる通り、都民はひとりひとりの生活に寄り添った問題の解決を望んでいることがわかります。
このために、どんな政策が必要なのか、報道でも、そして候補者のみなさんも議論していってほしいですね。