チェンジメーカーストーリー

ある日、学校が軍事施設になったら 。高校生、世界の子どものために立ち上がる

こんにちは。Change.org新メンバーの遠藤です。
東京では過ごしやすい気候が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

本日は、Change.orgユーザーの皆様に、Change.orgで先月キャンペーンを立ち上げた高校生たちへのインタビューをお届けします。日本の高校生にとって学校が「勉強するところ」なのはあたりまえのことですが、紛争地域の子どもにとっての学校はしばしば「軍事施設」です。
教室が兵隊に占拠され、校庭では射撃訓練が行われる。軍事施設となった学校は爆撃のターゲットとなり、巻き添えになる子どもたちもいます。そんな状況をなんとかしたいと高校生たちが始めたのが、学校の軍事利用を禁止する「学校保護宣言」に日本政府が調印することを求めたキャンペーンです。

発起人である高校3年生の小林さんと桶谷さんに話をうかがいました。

高校生二人

小林さん(右)、桶谷さん(左)

ー ふたりがそもそも国際問題に興味を持ったきっかけを教えてください。

小林さん: 小学生のときにベトナムに住んでいて、孤児や戦争で腕を失った人たちを見ていたので戦争や貧困といったテーマには当時からぼんやりと関心がありました。大きかったのは、中学に入って栗山さやかさんの『なんもないけどやってみた プラ子のアフリカボランティア日記』 (岩波ジュニア新書、2011年)を手に取ったことですね。渋谷の「109」で働いていたギャルの人が友人の死をきっかけに世界一周に出て、アフリカでいろんな問題を目の当たりにしてショックを受ける実話なんですけど、彼女はそこから一生懸命勉強をしてNGOを立ち上げるんです。「これは自分のバイブルだ」と思って、それから栗山さんの本は全部読んで、本棚に並べています。

桶谷さん: インターナショナルスクールの幼稚園に通っていたとき様々な外国のお友達ができたことから、自然と国際問題などに興味を持つようになりました。中学に入学してからは、模擬国連に参加したり、アイルランドへ1年間留学したりして、さらに関心が強まりました。アイルランドには移民も多く、同級生の中にはナイジェリアでは危険で暮らせなくて逃げてきた子もいたんですよ。大好きだった『ハリーポッター』シリーズでハーマイオニー役をしていたエマ・ワトソンが国連でスピーチをしていたのにも刺激を受けました。

ー 今回の署名は5月末時点で11,000人を超える方からの賛同を得ています。キャンペーンを立ち上げてみて周りの反応はいかがでしたか?

小林さん: 力になりたいけど何をしたらいいかわからないという人たちに「Change.orgの署名を広めて話題にしてほしい」と頼んで、どんどん活動を広げていけるのがよかったです。学校の友達がFacebookで話題にしてくれたり、Facebookをやっていない子もLINEのグループで周りに広めてくれました。

桶谷さん: 家族や友人、またその友人が積極的に活動を広げて下さり、応援してくれました。弟や塾の友人は各々の学校で活動のプレゼンをしてくれ、沢山の方々の協力を得ることができました。人の温かい優しさに触れることができる、貴重な機会になりました。

ー キャンペーンの手応えはいかがでしたか?

署名を提出

防衛省に鯉のぼりの形にデザインした署名を提出

 

小林さん: 紙で集めて「鯉のぼり」のデザインにした署名を5月のはじめに防衛省に提出しにいきました。Change.orgで集めた1万人を超える署名は、外務大臣に直接提出したいと思っていて、現在コンタクトを取ろうとしています。

桶谷さん:防衛省で担当してくれた方々は優しかったんですけど、質問してもいまいちはぐらかされてしまう感じがありました。「なぜ調印できないんですか?」と尋ねても、五分くらいのとても長い回答が返ってきてしまって、何を質問したか忘れてしまうほどでした。学校保護宣言の調印していない理由としては「有事の際に学校の利用が制限されてしまうから」ということでした。「え、日本の学校を軍事利用するつもりなの?」とおもいました。

小林さん: 有事の時に、日本の学校を自衛隊が使ったら、敵軍から学校が爆撃のターゲットになってしまうので、高校生としてはとても怖いです。学校保護宣言のガイドライン1では開講中(生徒が授業を受けている)の学校の軍事利用を禁止していて、ガイドライン2では退避後の学校は最小限度で使っていい事になっているんです。この内容と防衛省の方の発言をあわせて考えると、「開講中の学校を軍事利用する予定がある」と言われている気がして、おそろしく思いました。G7で学校保護宣言に調印していないのは日本とアメリカだけで、軍事行動をしているイギリスだって調印しています。他の国がこれだけ調印している中で、日本ができない理由はないんじゃないかって、シンプルに私たちは思っています。

ー 最後に、これを読んでいる方々に向けてひとことお願いします。

桶谷さん: 「微力だけど無力ではない」と思って私たちはやっています。Change.orgの署名も、クリックしたらひとりは「1」にしかならないじゃないですか。それが10,000名以上の賛同になって、学校保護宣言について知ってくれる人がこれだけ増えた。私たちも最初はここまで学校保護宣言についての活動が大きく展開されていくとは思っていなかったけど、予想していたよりずっと多くのことができている事実があることは知ってほしいです。

小林さん: 知らなかったことを知って、おかしいと思ったり、怒りを覚えたりすることは、邪 魔なことではないし、それをストレートに表現することは大切だと考えています。大人はそれぞれ立場があるけど、高校生は率直におかしいことはおかしいとまっすぐに言えます。「おかしいよね?変えられるよね?」って。そのまっすぐさが他の人たちに届くことで、変えられることも結構あるなと感じています。私たち、学校を軍隊に占領されて、怖い思いをしている子どもたちがいて、なんとかしたいだけなんですよ。

ー 小林さん、桶谷さん、どうもありがとうございました!


スタッフより

高校生たちの話を聞きながら、自分が高校生だったときのことを思い出しました。「アメリカ同時多発テロがあってイラク戦争が始まって〜」ということを二人に話すと「9・11をリアルタイムで経験しているんですか」と驚かれて、こっちもビックリしました(ジェネレーションギャップですね)。

さておき、知らないことを知りショックを受けたあとで、どんな行動をするのかは私たち一人ひとりに委ねられています。彼女たちは、現実を変えようとすることを選びました。みなさんはいかがでしょうか。

Change.orgでは、今後も「変えたい気持ち」をカタチにできるよう、立ち上がった人々を応援していきます。Change.orgの運営は、月額1,000円からの会員にてサポートできますので、共感していただいた方はぜひChange.orgの支援のほど、どうぞよろしくお願いします。

(Change.org 遠藤)

Written by
Change.org
6月 4, 2018 2:10 pm