キャンペーンのヒント

「北大ジンパ復活」からわかるキャンペーン術!<後編>

北海道大学のジンギスカン・パーティー(略称「ジンパ」)は伝統行事として有名ですが、2013年2月、規制が突然発表されました。 情報が少ないなか、工学部3年生の斎藤篤志さんは、規制が事実かどうか確かめ、どこに働きかければいいのかなどを調べ、キャンペーンを開始。ソーシャルメディアを通じて多くの仲間を集めることができましたが……。

(※ このインタビュー記事の<前編>はこちら)

—ところで、どのようにして署名を相手に届けましたか?

3月7日、最初に環境配慮促進課に行ったときは「どこに提出するか分かりませんし、我々も受けとれません」と拒絶されていたので、とても心配した記憶があります。 そうでしたね。あのあと、北大ジンパ問題対策委員会からの申し入れに対し、大学当局から直接書面を受け取るとの連絡が入りました。そのときが、対話を含む学生とのやりとりを一切断っていた大学側が、学生の声があることを認めてくれた瞬間でした。そして、3月18日に、設立宣言を届けて、対話のスタートを切りました。

—最初は拒否されたものの、対話に応じてもらえたということですね。

3月29日には、三上副学長、近藤役員補佐など担当理事と会談をしましたよね? はい。Change.orgの担当者さんとメールでやり取りをし、「なるべくメディアに注目してもらってプレッシャーをかけよう」という作戦のもと、新聞やテレビを呼んで大きく取り上げていただきました。 その会談のときに、署名の他に、Change.orgに寄せられたコメントも印刷して持っていきました。ジンパへの熱い想いが籠っているコメントが多くて、僕たちも勇気づけられる思いでした。

—その際に、どんなことを伝えましたか?

今後もジンパできるような環境を整えて欲しいということ、ジンパに伴う問題は共に解決していきましょうということ、ジンパは北大の文化・伝統としてかけがえのないものであることを伝えました。

—ただ、署名は受け取ってもらえなかったんですよね。

要請書とコメントは受け取ってもらいましたが、署名は、「数の問題ではない」「受け取っても見ない」と言われました。そのため、署名の提出を断念せざるを得ませんでした。

—その知らせを聞いたときは、本当に残念だなと思いました…。ほかに、どんなことを言われましたか?

「会議で決定を下した教職員もジンパを残したい気持ちはある、しかしあまりにも迷惑行為が酷い状況で看過できない」という反応でした。

—その発言からもわかるとおり、あまり芳しい反応ではありませんでしたよね。だから、ジンパエリア新設までこぎ着けたのは、齋藤さんをはじめとする皆さんの粘り強い働きかけのおかげだと思います。成功を知ったのはいつだったのですか?

3月29日、4月18日と北海道大学の副学長と会談を進めていく中で、新ジンパエリアの設置という妥協案が話し合われました。 そして、4月24日に法学研究科の吉田教授をはじめとする教員有志が、方針撤回を求める151人分の教員署名を山口総長、三上副学長、近藤総長補佐に提出した際に、新ジンパエリア設置を確約していただいたということをメールで知り、キャンペーンの成功を実感しました。

—話し合いに応じてもらえたり、また代替案として新ジンパエリア設置が検討されたりと、大学側に望ましい方向に動いてもらえた理由は何だったと思いますか?

ただ単に不平不満を言う団体ではなく、ジンパに伴う問題を大学側と協力して解決したい、建設的な話し合いをしたいという姿勢を積極的に打ち出していたことだと思います。 ともすれば大学紛争のような過激な団体をイメージされかねないので(笑)、まともに話のできる団体であることを印象付ける必要がありました。

—なるほど、建設的な姿勢を見せるのは、交渉していく上でとても大切ですね。では、キャンペーンをすすめて行くなかで、一番印象に残った出来事は何ですか?

禁止令の施行が4月1日のため、3月31日に第一回ラストジンパと称してジンパを行ったのですが、 参加者よりも新聞・雑誌・テレビ各局の報道陣が多くて…(笑) 他の参加者と「こんなジンパ二度とないよね」と話してましたよ(笑)

—それは貴重な体験をしましたね(笑) 今回の成功からつなげて、今後やっていきたいことは何ですか?

今後やるべきことはまだまだあります。具体的な新ジンパエリアはどこにするのか、今年度の対応をどうするのか、マナー問題はどうするのか…すべて解決して、この問題はやっと終結だと思います。 また、僕らの世代が抜けたあとも継続的にジンパできるようなシステムを作ることに尽力したいと思っています。

—なるほど。キャンペーンが終わっても、まだ課題が残っているということですね。ただ、キャンペーンがはじまる前より、ずっと建設的な課題だと思います。 では、これからキャンペーンを立ち上げるChange.orgユーザーに一言伝えるとしたら、どんなことを言いたいですか?

キャンペーンを成功させるためにソーシャルメディアの力を最大限活用しましょう。Change.orgとFacebook、Twitter、Tumblr、 LINEなどを連携すると、正当なキャンペーンであれば物凄い力が得られると思います。署名の宛先が大きな組織で全く動かないように見えても、ソーシャル メディアの力でその組織が動かざるを得ないような状況にすることは可能です。Change.orgで一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

—最後に、署名してくれたり、コメントをくれたりした人たちに、一言お願いします!

ここまで応援していただいたことに心の底から感謝を申し上げたいです。皆さんの署名・コメントのおかげで新ジンパエリアという話までこぎつけることができました。本当にありがとうございました!!!!

photo by MIKI Yoshihito (´・ω・) via flickr

Written by
Change.org
5月 14, 2013 4:47 am